(国家資格)エネルギー管理士 合格体験記 (1)
【はじめに】
昨年、エネルギー管理士(熱分野)を受験し合格しました。
全く知識のなかった私がどんな参考書や問題集を使ったのか、私の勉強法についても紹介し、これから受験する方の参考になればと思い、ブログに書き綴りたいと思います。
【エネルギー管理士とは】
電験2.5種とも言われ、受験前から難易度の高い試験というのは知っていました。
試験自体、熱分野と電気分野があり、試験申し込みの際にどちらで受けるか選びます。
(試験問題が違うだけでどちらで合格してもエネルギー管理士になれます)
【熱分野と電気分野のどちらかを選択】
私は10年くらい前に電験3種(第3種電気主任技術者)を取得していて、
どちらかといえば電気系の方が得意なのですが、熱分野・電気分野でそれぞれ合格率が別で公表されていた頃の合格率を見ると、熱分野の方が若干高かったため(そんな理由で?!)全く知識のない熱分野を受験することにしました。
【試験の中身は】
勉強してみると、熱力学、流体工学、伝熱工学、燃焼、熱効率など一度も勉強したことのない機械系の内容ばかりで、
非常にとっつきにくく、理解していくのには大変苦労しました。
熱分野の参考書(全課目分)や問題集も買い、
自分もやればできると信じて、前向きに基礎から勉強をしました。
結果、
2年かけてエネルギー管理士の試験に合格し、
経済産業省に申請後、
エネルギー管理士免状を取得することができました。
【私の受験スタイル】
この試験は受験料が17,000円(昨年H30年時点)と他の試験に比べ高額です。
全部の課目が一からの勉強だったので、参考書も全部の課目+問題集を買いました。
そのため、テキスト代だけでも結構かかりましたが、自分で受験を決めたからには、
お金をかけてでも3年以内には合格したいという目標がありました。
一発合格できる自信は私には全くなかったので、科目合格制度を利用し、1年で無理に4科目受験せず、
1年目は2科目だけに勉強を絞り2科目の合格を目指し、2年目に残り2科目の勉強して2科目合格すれば、
4科目全て合格=エネルギー管理士を取得!
という計画を立てて勉強を進めました。
その結果、2年かけて見事エネルギー管理士に合格することができました。
熱分野の知識がなく一から勉強を始めて無事に合格することができたので、同じようにエネルギー管理士を目指している方は、
最後まで諦めずに頑張ってください。
【試験課目】
4つの課目があり合格ラインは60%になります。
個人的な感覚では、課目2と課目4が難しく、特に課目2が勉強にも苦労しました。
課目1と課目3は簡単ではなかったですが、何とかなりました。
・課目1 エネルギー総合管理及び法規(試験時間80分)
難易度:普通
(試験内容) 全3問
①エネルギーの使用の合理化等
に関する法律及び命令 1問
②エネルギー総合管理
・エネルギー情勢、政策、
エネルギー概論 1問
・エネルギー管理技術
の基礎 1問
電気分野との共通試験のため、電気関係の計算問題が出題されます。
毎年、電気系の問題が数問出題されるため苦手な人もしっかり勉強して理解しておかないと、課目を落としてしまいます。熱分野の人もいるためそれほど難しくはないので、諦めずに勉強しましょう。
<課目1のために使用した参考書>
法令が頻繁に改正されているので新しい参考書がオススメ。
不動本(左)と呼ばれる定番の参考書とオーム社(右)の参考書。
・課目2 熱と流体の流れの基礎(試験時間110分)
難易度:ムズ
(試験内容) 全4問
①熱力学の基礎 2問
②流体工学の基礎 1問
③伝熱工学の基礎 1問
エネルギー管理士の4つの課目の中で、一番苦労しました。
私には熱力学、流体工学、伝熱工学すべての知識がなかったため、一から参考書を読んで勉強したのですが、特に熱力学は勉強を初めて2ヶ月間くらいはなんの事なのかさっぱり分からず、全くチンプンカンプンだったので
「こんなんで試験に合格できるのか?」
と不安になりました。
状態方程式の問題を解くにしても、どの公式を使えばいいか分からず、
PV=nRTの式からの答えを導き出すことができず、最初の問題からできませんでした。
そのため何度も解答を読んで、少しずつ理解していきながら答えの導き方を覚えました。
私のように馴染みがない人にとっては一番時間をかける課目になるかと思います。
また、試験時間は110分と長いように思われますが、計算しているとあっという間に時間が経ち最後の問題まで辿り着けない恐れがあるので、本番では時間配分も考えながら進めていく必要があります。
<課目2のために使用した参考書>
オーム社の参考書がオススメ。
・課目3 燃料と燃焼(試験時間80分)
難易度:普通
(試験内容) 全3問
①燃料及び燃焼管理 2問
②燃焼計算 1問
固体(石炭等)、液体(軽油等)、気体(LNG等)の燃料の知識や化学式やモルを使って、理論酸素量から理論空気量、空気比、乾き・湿り排ガス量などを計算していきます。
ある程度計算パターンは決まっているので、繰り返し問題を解いていけば徐々に流れが分かってきます。
その年によって、酸素量や空気量の単位が体積(m3)でなく質量(kg)で出題される時もあるので要注意です。
しっかり問題を読み単位を間違えずに、的確に解いていきます。
<課目3のために使用した参考書>
オーム社の参考書がオススメ。
・課目4 熱利用設備及びその管理(試験時間110分)
難易度:ムズ
(試験内容) 全6問
①計測及び制御 2問
②熱利用設備 2問
・ボイラ、蒸気輸送・貯蔵装置、
③選択問題(4つのうち2つ選択) 2問
・熱交換器・熱回収装置 1問
・冷凍・空気調和設備 1問
・工業炉、熱設備材料 1問
・蒸留・蒸発・濃縮装置、
乾燥装置、乾留・ガス化装置 1問
課目4は問題数も多く、選択問題もあるので勉強の幅は広いです。
①は計測では温度計や流量計など、制御ではPID制御などが、とっつきにくく理解しづらい所もありますが、繰り返ししっかり覚えれば大丈夫です。
②はボイラや内燃機関、ガスタービン、蒸気タービンなど見たこともない設備について問われるので参考書等をよく読み、簡単な仕組みを理解していきます。
でもこれが覚えることがたくさんあり大変でした。
選択問題は、私の場合それぞれの難易度の違いが分からなかったので、「熱交換器・熱回収装置」と「冷凍・空気調和設備」を選択しました。
結果、選択した課目は同じ難易度程度だったという感触です。
他の2つの課目については、勉強もしていないので分かりません。
<課目4のために使用した参考書>
オーム社の参考書がオススメ。
繰り返し何度も問題を解いて勉強することで理解も深まり分からないところも分かるようになってくるので
最後まで諦めずに頑張ってください。